タンパク質が筋肉を作り上げていることは一般的によく知られています。
しかしそれだけではなく
内蔵、髪、爪、骨などもタンパク質を元とするアミノ酸による働きで作られています。
特に高齢者の方は筋肉量が徐々に減少していくサルコペニア
骨がやせ細っていく骨減少症などは
筋トレ不足やタンパク質不足によって引き起こされやすいです。
さらに若年層でも成長期や激しいスポーツをする学生でも
タンパク質が不足することで十分な筋肉量の増加が見込めなかったり、
骨や関節がスポーツの動きに十分対応できない可能性もあります。
本記事では骨の健康について研究論文を参考にわかりやすく紹介します。
筋トレだけではなく骨の健康も考えた場合
どれくらいのタンパク質を摂取すべきなのか一緒に考えていきましょう。
今回参考にした研究論文がこちらです▼
Amount and type of protein influences bone health
筋肉量を増やすタンパク質摂取量とは
まずは筋肉量を増やすための必要タンパク質量を紹介します。
詳しくタンパク質摂取量を知りたい方は下記記事が参考になります。
一般的な推奨タンパク質摂取量は体重x0.8gです。
例:60kgだったら 60x0.8g=48gのタンパク質を一日最低摂取すること
ではトレーニングをする場合
健康維持 | 1食あたり、体重x0.24g |
中級者 | 1日トータルで体重x1.2g以上 |
上級者 | 1日トータルで体重x2g~3g程度 |
上記のタンパク質摂取を心がけると筋肉量を増やしやすいと考えられています。
体重x3g以上タンパク質をとってもそれほど効果的ではないので上限が体重x3gです。
筋肉を増やすために守りたいこと
① 毎日必ずタンパク質摂取を心がける
② トレーニング直後~3時間以内にタンパク質と炭水化物をしっかり摂ること
③ 7時間以上の睡眠をとること
この3点は最低限守っていきたいことです。
ぜひ取り掛かりはこの3つを意識して取り組んでみてください。
骨の健康を考えたタンパク質摂取量とは
骨を構成するタンパク質は非常に重要な役割を担っています。
実は、骨の体積のうち50%はタンパク質で出来ています。
それぐらい比重の大きな栄養素であるため積極的に摂取したい栄養素です。
カルシウム尿症の増加は骨量の減少につながらない
タンパク質を多く摂取することでカルシウムが尿として排出されてしまい、
骨量が減るかというとそういうわけではありません。
食事によるタンパク質摂取量を増やすと骨塩量(カルシウムの量)が増加し
骨折のリスクが減るという研究結果が紹介されています。
さらに59人の骨折して入院した患者のうち
プロテインを摂取していたグループはより早く社会復帰することが出来たというデータもあります。
このようにタンパク質の摂りすぎかな?と思っていても
実は不必要なタンパク質は体外へ排出されると同時に
骨を強くするために体内で合成もされていたということがわかっています。
タンパク質摂取量が少ないと起こるリスク
一般的な体重x1g~1.5gのタンパク質摂取量(中程度)の場合は
カルシウム代謝を十分に行える量です。
それより少ない摂取量(体重x0.8以下)になると
カルシウム吸収率が悪くなり、骨を作り上げるのではなくカルシウムを放出してしまいます。
そうなると骨はどんどん脆くなっていき、骨折リスクが高まります。
まずは体重分のタンパク質を摂取することを心がけるようにしましょう。
動物性タンパク質がおすすめな理由
動物性タンパク質は大豆などの植物性タンパク質に比べて
アミノ酸としての質が良く身体にとって非常に有益な食べ物です。
骨に関しても動物性タンパク質をベースにして食事を摂取していた
65際以上の高齢者を対象とした研究では
動物性タンパク質を摂取したグループは大幅な骨密度、骨量の改善が見られたようです。
なので、女性男性問わず動物性タンパク質を摂取することが望ましいでしょう。
ビタミンDも骨には重要
ビタミンDは日光を浴びることによって体内合成される栄養素です。
主な働きは以下の通りです。
・骨の健康維持、強化
・免疫力向上
・筋肉と脳の神経伝達能力向上
タンパク質だけではなくビタミンDも骨の健康に重要な役割を担っています。
なので、積極的に日光を浴びたりサプリメントで補給してあげることも大事です。
必要タンパク質量の上限は?
特にこのタンパク質の上限については定められていないようです。
最も厚生労働省もタンパク質摂取量の上限を決めていないため
いくら摂取しても大丈夫ということです。
ただし、高タンパク質食事を避けるべき対象は
・糖尿病患者
・肥満者
・肝臓に問題がある人
これらの人は体重x2g以上などの高タンパク質食は避けるべきでしょう。
問題がない方は出来るだけ体重分以上のタンパク質を摂取することが望ましいです。
おすすめタンパク質摂取量
さらに若年層の部活を頑張っている方や筋トレをしていて筋肉量を増やしたいと考えている場合は
体重x2g以上のタンパク質を摂取することがおすすめです。
体重x2g程度で筋合成が最大化されたという研究論文や
体重x3g以上摂取しても筋合成力は体重x2g程度と変わらなかったということも報告されています。
まとめ
今回は骨に関するタンパク質摂取量について紹介しました。
高タンパク質食が骨に対しても有効であることが証明されていますので
筋肉量を増やすと同時に骨も強化されるという一石二鳥の報告です。
ここで簡単にまとめておくと以下の通りです。
① 体重x1g~3gのタンパク質を摂取する ② ビタミンDの摂取も重要 ③ 体重x2g以上の摂取がおすすめ |
これら3点だけ頭に入れておいていただけると効率よく体作りが出来ると思います。
ぜひ参考にして自身の食事に取り入れてみてください!