多くのジムではラットプルダウンは首の後ろに引くようオリエンテーションなどで教わることがあると思います。
最近では、ビハインドネックラットプルダウンは危険な種目の一つとして紹介されることが多くなりました。
人間にとって不自然な動きで、関節可動域を超えて実施してしまう場合が多いからという理由があります。
なので、初心者向けの種目ではないと僕自身感じています。
ですが、トレーニング上級者にとっては種目の一つとして取り入れたいメニューではあります。
適切なフォームと重量で取り組むことが大事な種目ですので、リスクとメリットを解説していきます。
記事の信頼性
NSCA CPT パーソナルトレーナー 有資格
NSCA The Journal of Strength and Conditioning Research 英文会員
3年間20kg以上のリバウンドと20kg以上の減量を毎年繰り返してます。
英文の研究論文をできるだけわかりやすく解説していくコンテンツです。
ビハインドネックラットプルダウンとは
主動筋:広背筋
補助筋:僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋 (他にもありますが大きく3部位)
ラットプルダウンは背中の厚みと広さを出す最も重要な種目です。
男性であれば、広い背中で逆三角形を作る。
女性であれば、Y型の背中によりくびれがより強調されるといったメリットがあります。
ラットプルダウンマシンはどのスポーツジムでもあるマシンですし、アタッチメントも豊富です。
レパートリーの一つとしてビハインドネックラットプルダウンを一緒にマスターしましょう。
有名ボディビルダーも実施している
カイ・グリーンをご存知でしょうか
ボディビル業界では知らない人はいないマッスルコントロールの神様です。
彼の筋トレ動画では身体の使い方をしっかり解説してくれるので非常に参考になります。
この動画ではビハインドネックラットプルダウンの実演部分をぜひ見てみてください。
一般的なボディメイクではそれほど重要な種目ではないが、ボディビルダーは行うべき種目。 バックダブルバイセップスのポーズダウンで最も重要な筋肉を鍛えられる。 重量は軽くしてマッスルコントロールに重点を置いて行うべき。 |
こんな感じの会話内容だと思います。間違っていたらすみません。
重量を求めずに軽い重量で効かせることが重要だということですね。
なぜ危険なのか
一般的に行われているのは、首を前に倒して首元までしっかり降ろしましょうという方法です。
このやり方では柔軟性が高ければ問題がないと思われますが、重量が増すにつれてローテーターカフ(腱板)にストレスがかかってきます。
また、肩甲下筋にも過度の緊張が発生し、肩関節を適切に支えられなくなります。
こういった意味で一般的には止めておきましょうと言われているのです。
ローテータカフは肩関節を支える重要なインナーマッスル
ローテーターカフの損傷について気になる方はミライエ請求整骨院ブログを参照してみてください。
ローテータカフは肩関節を支える一番重要なインナーマッスルです。
この筋肉を傷めてしまうと、骨と筋肉の連動性がうまくいかずに日常生活から痛みが発生してしまう可能性もある大事な筋肉です。
上半身のトレーニングを行う際はしっかりとチューブなどで肩関節を温めてからメインセットに入るようにしましょう。
ウォーミングアップ参考例▼
ダンベルでも行えますが、1kg以上の重量は三角筋が働きやすくなるので1kg以下のダンベルを選びましょう。
柔軟性が大事
首の後ろに引く動作は柔軟性が高くないといけません。
柔軟性が低いとバーをまっすぐおろせずに、脊椎に負荷がかかってしまいます。
しかし、柔軟性が高いからといって首元まで降ろすのは危険です。
耳のあたりまで引いてスタートポジシションへ戻す。これだけでしっかりと広背筋は鍛えられますので、頑張って引きすぎないようにしましょう。
リスクの少ない正しいフォームとは
ビハインドネックラットプルダウンは危険そうだからやらないほうがいいんじゃないかと悩んでしまったかと思われますが、しっかりと動きをマスターしてしまえば、かっこいい背中を作り出せる種目になります。
一つ一つ確認して実行していきましょう。
1.ニーパットは脚を固定できる高さに調節する
2.手幅は肩幅から少し広めにして、グリップをしっかりと握る
3.ケーブルとバーの真下に脊椎がくるようにポジションをとる
4.背中はそらさずまっすぐ保つ
5.頭を前に倒して、首がすくまないようにしてバーを引く
6.肩甲骨を閉じるように意識するため肘で引くイメージを持つ
7.息をはきながら耳の高さまで引いたら1秒程度とめてあげる
8.ゆっくりと広背筋に力を入れたまま戻す
9.腕は伸ばし切らずにその直前で止めて動作を繰り返す
この基本動作を守ってトレーニングを行うとケガのリスクを最小限に抑えられると思います。
また、この種目は高重量は絶対に扱わないように気をつけてください。
完全にマッスルコントロールに重点を置いた種目なので、軽重量で高回数が基本です。
重ね重ねになりますが、柔軟性が低くてまっすぐバーをおろすことが出来ないという方は止めておきましょう。
ラットプルダウンの比較研究
ここまでビハインドネックラットプルダウンのやり方とリスクについて解説してきましたが、それほど効果的じゃないのではないかという研究結果を簡単に紹介します。
Electromyographic analysis of three different types of lat pull-down
Journal of Strength and Conditioning Research: October 2009 - Volume 23 - Issue 7 - p 2033-2038
こちらの論文では3つのラットプルダウンの方法を筋電図の働きを見て比較した記事です。
方法
ビハインドネックラットプルダウン フロントラットプルダウン(通常のバーで身体の前側に下す一般的な方法) Vバーラットプルダウン(脇を開いて下す手の位置が顎あたり) |
結果
広背筋の筋活動率はほぼ一緒で差が見られなかった
大胸筋の働きが優位に大きかったのがフロントラットプルダウン
三角筋の働きが優位に大きかったのがビハインドネックラットプルダウン
上腕二頭筋の働きが優位に大きかったのはビハインドネックラットプルダウン
このような結果が報告されています。
つまり、前側でも後ろ側に引いても広背筋自体の効果は変わらないということがわかります。
なので、一般的なボディメイクでは前側に引くほうがより安全に取り組める証拠にもなりますから、フロントラットプルダウンをおすすめします。
まとめ
ビハインドネックラットプルダウンがどういった種目か肩関節にかかる負担などのリスクから安全な取り組み方までご紹介しました。
ここまで書いてきましたが、初心者から中級者にはおすすめできない種目だということを伝えたかった記事であります。
この種目を取り入れるべきはボディビルなどの大会で細部までこだわって鍛えたいという人向けです。
初心者から中級者の方は以下の記事で紹介しているメニューを参考にすると効率よく背中の筋肉を発達できるかもしれません。
ぜひ参考にしてみて自分のトレーニングに生かしてみてください。
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