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【筋トレ論文レビュー・重量選択とタンパク質編】筋肉量の増加に向けた効果的なレジスタンス運動とたんぱく質摂取

タンパク質の摂取量は筋トレをする人なら誰もが気をつけていることだと思います。

一般的にタンパク質の必要最低量は、厚生労働省から発表されているように60g~70g程度摂取することが推奨されています。

そしてアスリートの場合は体重x1.2g程度摂取しましょうと言われています。

筋トレをしている人もアスリートほど消費カロリーは大きくないものの体重x1.2g以上は摂取したいところです。

タンパク質の摂りすぎはいけないのかというと、明確な基準はありません。

健康な人であればタンパク質の摂りすぎによる健康被害や副作用などは報告されていないからです。

そこで今回は、NSCA出典の筋肉量を増やすのに高重量、低重量どちらがいいのか、タンパク質を摂取するタイミングなど研究報告をまとめた論文を紹介します。

参考文献はこちら(有料会員のみ閲覧可)

筋肉量の増加に向けた効果的なレジスタンス運動とたんぱく質摂取

NSCA JAPAN Volume 27, Number 10, pages 11-15

筋肉量を増やす重量選択とは

一般的には10回x3セット行いましょうというのが提唱されています。

この考えのもととなっているのは、かなり古い研究結果を踏まえてそうなっています。

従来の考え方

5回5セットの3~5分インターバルグループ(高重量)

10回3セットの1分インターバルグループ(中重量)

15回3セットの1分インターバルグループ(軽重量)

一番時間効率よく筋肥大が促されたのが10回3セットのグループだったため

近年の研究結果では

1回持ち上げられる重量の30%で疲労困憊までのグループ

1回持ち上げられる重量の90%でトレーニングしたグループ

30%の重量で披露困憊までトレーニングしたグループのほうが筋合成力が高かった。

トータルで持ち上げた総重量が筋肥大にとって重要であるということ

このように重い重量をあげたとしても低重量で高重量を扱った時よりも総重量が重ければ、低重量のほうが筋肥大するということがわかっています。

簡単にまとめると

50kgx15回=750kg

100kgx6回=600kg

低重量の50kgx15回のほうが150kg分多く持ち上げているので、50kgx15回のほうが筋肥大するということです。

筋肥大を促すために高重量を扱わなければいけないと考えるのではなく、低重量でも総重量だけ気をつければ筋肥大します。

また肩や膝に不安がある方は低重量のほうが怪我のリスクが少ないです。

もちろん高重量で追い込む日を作ってあげたほうが筋肉が重さに慣れず、刺激を与え続けることが出来ます。

なので、高重量の日と低重量の日を作ってあげることも重要です。

自分に合った重量選択をしてあげましょう。

 

タンパク質摂取のタイミングとは

トレーニング直後の30分間はプロテインを摂取するゴールデンタイムと昔から言われてきました。

現在でもその考え方は代わりありません。

しかし、その時だけプロテインを飲んでいても効果はありません。

筋肉の合成が行われているのはトレーニング後の2~3時間後が最も活発に行われていますが、合成は24~48時間も継続しています。

なので、当日プロテインを摂取したからといって翌日、翌々日の食事でプロテインやタンパク質を十分に摂取しなければ筋肥大は期待できません。

筋トレをしたその日だけ気をつけてもほとんど体つきは変わりません。

そして食事面について、新たに判明したこととして以下のことがあげられます。

トレーニングをする人は体重x0.24gのタンパク質を摂取することを目標とすることです。

Moore, D.R., T.A. Churchward-Venne, O.
Witard, L. Breen, N.A. Burd, K.D. Tipton,
S.M. Phillips. Protein ingestion to stimulate
myofibrillar protein synthesis requires greater
relative protein intakes in healthy older versus
younger men. 

閲覧元:J Gerontol A Biol Sci Med Sci .70(1): 57-62. 2015.

筋合成力が最大に高まるタンパク質の摂取量が体重x0.24gということで体重が60kgであれば14.4gのタンパク質を摂取することが推奨されます。

もちろんこれは炭水化物メインの食事が多い日本人にとって厳しいと思います。

なのでプロテインを食事と合わせて飲んだり、間食事に飲むことで補ってあげることが重要です。

またこれは筋肉量の乏しい初心者に対してのみ有効な論文だと個人的に考えております。

筋肉量が増えるにつれて筋肉を維持するのに必要なタンパク質量も変化するだろうという考えから、筋肉量が多い人はさらに多量のタンパク質を摂取すべきでしょう。

 動物性タンパク質と大豆タンパク質の違い

筋合成力を高めるのに最も有効なアミノ酸がロイシンです。

ロイシンの含有量が多いと筋合成速度が早くなることがわかっています。

このロイシンが多く含まれるのが動物性タンパク質です。

ソイプロテインと書かれていなければ、動物性タンパク質のホエイプロテインをトレーニング直後に摂取することが効果的です。

ロイシン含有量の具体的な数字として同量、同タンパク質量で比較した場合、動物性ホエイプロテインのほうが17%も高かったようです。

大事なことは女性だろうと男性だろうとトレーニング直後は動物性プロテインを飲むことです。

性別関係ありません。大豆プロテインは必要ありません。

おすすめされても絶対に必要ありませんので断ってください。大豆をとる理由がありません。

 大豆プロテイン&カゼインプロテインの摂取タイミングについて

上記2つのプロテインは吸収速度がゆっくりです。

なので、間食事や就寝前、朝食が少なめの人など限定的な摂取をおすすめします。

基本的にはホエイプロテインのみで事足りるとは思いますが。

まとめ

今回紹介したのは、低重量でもトータルの総重量が高重量でセットを組んだ時よりも多ければ低重量のほうが筋肥大するということ。

食事面でもロイシンを多く含んだホエイプロテインが運動直後には最も効果的だということです。

ロイシンが筋合成速度を高めることは本論文で初めて知ったことで大変勉強になりました。

また、本文では触れませんでしたが大学生266名に対してのアンケートを行ったところ

タンパク質を1食あたり体重x0.24g摂取できていた人は全体の3割しかいなかったということが驚きでした。

普段からトレーニングをしていても食事面に気をつけていなければ、筋肉は増えません。

トレーニングよりも食事面の見直しが必要な人は多くいると思います。

なので、今一度トレーニング内容と日々の食事内容の見直しを図ってみてはいかがでしょうか

 

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